欧米人へのイメージ
人々が外資系企業を将来のキャリアとして考える場合、おうおうにして欧米の企業の体質や、欧米人自体へのfavorable perceptionがあると思います。ところがこの欧米人へのperceptionはなかなか曲者です。良い悪いということでは無く「違う」ということなんですが、この違いが余り正確に言われているのを日本で目にすることは少ないです。
- ここでは代表的な例としてアメリカ人を例にとってみましょう。よく言います:アメリカ人は気さくですぐうち解ける、日本人に比べ論理的に順序よくしゃべってくれる、公私の別をちゃんと割り切った生活、合理的などなど。全て良いばかりです。確かに表面的なつきあいや、留学学生同士などの気楽なおつきあいではこうした面もあると思います。そしてこうしたperceptionも一助となって外資企業を自分のキャリアパスとして考えている人も多いのではと思います。
- しかし利害関係や策略のからむ企業体の中ではもう少しいろいろ見えてきます。そして必ずしもいわれているように良い面ばかりでは無いことも当然分かってきます。
- 気さくである。表面的にはそうです。これは心を許してうち解けるということと勘違いをしてはいけません。私の経験ではアメリカ人は一番心を許しにくい人種のように見えます。なかなか自分をさらけ出し、そうすることによって心からうち解けていくということをしません。
- 日常の生活もかなり無理をした、どういえばいいのでしょう、かなり「つっぱった」生き方をしてます。とにかく自分の弱いところを見せることを嫌います。そして元気はつらつ・テンポ良く振る舞っているようにも見えます。その分、実はかなりストレスをためているようです。
- 数年前に、全米で「Tuesday with Morrie」というTVドラマが大ヒット、その後映画化され、その原作本もベストセラーになりました。そのことも、現代のアメリカ人の内面のストレスの蓄積、また現代のスピード感あふれる生活パターンへの疑問なども反映しているように思います。
- 公私の別を割り切った生活・プライベートを大事にする。う〜ん、どうでしょう。これは私が見る限り、スタッフレベルなら言えることですが、殆どのマネージャーたちは日本人より遙かに働きます。夜も昼も、家も会社も関係ありません。確かに早く家に帰ります。家族とちゃんと食事をしないと「立派なアメリカ人」と思われないし、へたをしたら離婚されて莫大の慰謝料を取られるからです。でも彼らは食事の後、再び自宅で仕事を始めます。そして次の朝は7時にはもう会社で仕事をしています。
- これはアメリカ人の例です。日本人はアメリカ人もヨーロッパ人も一緒にしがちですが実は全然違うということも知っておいた方が良いでしょう。ヨーロッパ人については機会があればまた触れます。